ゴールデンロード劇場
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  地域:北海道札幌市
全国映画館外観巡り(北海道:札幌東宝日本劇場)
【住所】北海道札幌市中央区南1条西1丁目
【最寄駅】地下鉄各線「大通」駅32番出口より徒歩すぐ
【公式HP】なし
【座席数】スクリーン1(552席)
  ※データは閉館時のものです

  紹介
【北海道の映画館史に一つの時代を築いた映画館】
札幌東宝日本劇場(通称:東宝日劇 ※以下も「東宝日劇」と表記)は、かつて北海道札幌市中央区にあった映画館です。1954年9月29日に洋画専門館としてオープンし、スクリーン数は一つのみではありましたが、年間の観客動員数や興行成績で常にトップ(北海道内)を保つなど、札幌のみならず、北海道の映画館史において、一つの時代を築いていました。

また、座席も昔ながらの二階席を兼ね備え、同じく札幌市中央区にあった「帝国座会館」「東宝プラザ」「東宝公楽」などと並び、北海道でも有数の座席数を保有する劇場として、多くの道民に親しまれていました。

しかし、2003年3月、札幌駅のJRタワーに大型のシネマコンプレックスである「札幌シネマフロンティア」が誕生したのに伴い、東宝日劇の建物の老朽化も進んでいたことから、そこに機能を移転するスクラップ・アンド・ビルドというかたちで、2003年8月31日をもって、49年間の歴史に幕を下ろしました。

営業していた当時の外観は、建物自体は、東宝ならではの角を切り落としたような形をした重厚感ある造りでしたが、壁面の「東宝のロゴ」や「日本劇場」の看板と、多くの人に親しまれた手書きで描かれた映画の絵がマッチし、昭和から続く映画館ならではで雰囲気を感じることができました。また、劇場入口周辺で流れていたアナウンス(記憶が曖昧ですが、「映画を見るなら東宝日劇」といったような内容)も、東宝日劇ならではといった感じでした。

【東宝日劇あの日、あの時・・・感動のフィナーレ】
2003年8月25日(月)から8月31日(日)までの間、「さよなら東宝日劇 ファイナルシネマ」と題して、過去の名作が上映された他、28日(木)には「シネマティック・ジャズ・イン日劇」という音楽会が開催され、映画の名曲が生演奏されました。

また、30日には映画評論家・水野晴郎氏を招いたトークショー「映画よ、永遠に・・・」も開かれ、映画館の思い出話などを話されていました。ちなみに私自身もこの間、連日通い、30日はそのトークショーを前方の席で見るために、長編映画であるベンハーを2回連続で鑑賞して席を確保し、最終日である31日も昼過ぎくらいから入場して、最終上映まで鑑賞しました。なお、その最終上映は、名作「タイタニック」でしたが、エンドロールの終了と共に、拍手が沸きあがるなど、最後に相応しい感動的なフィナーレとなりました。

最終上映終了後は、皆、思い思いに劇場内をカメラに収め、見知らぬ人同士で写真を撮り合ったりもしていました(私もその一人)。そして、最後は皆に見送られながら、ゆっくりとシャーターが下ろされ、その歴史に幕を下ろしました。なお、その時の写真は下記のフォトギャラリーに、未使用のチケットや広告なども含めて、公開していますので、そちらも参考にしていただければと思います。

※参考文献:さっぽろ文庫『札幌と映画』、『北海道新聞・夕刊(2003年9月5日付)』)


【後書き(個人的な話)】
正直なところ、私はかつて狸小路にあった帝国座会館がお気に入りだったこともあり、東宝日劇では「さよなら東宝日劇 ファイナルシネマ」を迎える前まで4回しか鑑賞したことがありませんでした。そのため、ものすごく思い入れがあった映画館というわけでもなかったのですが、最後の一週間で垣間見た、連日賑わいを見せる様子や上映終了後に多くの人達が写真を収めているその姿から、いかに東宝日劇が道民に愛され、一つの文化として根付いていたのかを肌で感じさせられ、最後の最後で思い入れのある映画館へと変わりました。

ちなみに、私のお気に入りだった帝国座会館は、東宝日劇が閉館したわずか数日後に、運営会社の経営破たんにより、休館となり、結局、再開することなく、閉館してしまいました。

華々しくフィナーレを迎えた東宝日劇とは、あまりにも対照的な閉館でしたが、これらの出来事から、今後、同じように閉館していくかもしれない全国にある映画館についても、外観だけでも写真に残して、多くの人に懐かしんでいただければという思いが生まれ、全国の映画館を巡るようになり、2004年から趣味で始めたホームページ上で紹介するようになりました。

現在は、閉館するしないに関わらず、最新の映画館も巡り、作成・公開を続けていますが、2015年には広島の閉館を題材にした映画『シネマの天使』のエンドロールに、これまで全国で撮影してきた映画館の外観の写真の一部を提供させていただくこともできました。

今日で東宝日劇が閉館して、ちょうど13年が経ちましたが、いつか、東宝日劇の感動のフィナーレの様子も含めて、ホームページ上で公開したいという思いは、ホームページを作り始めた当初から常に持ち続けていました。そして本日、ようやく、その思いを形にすることができました。

長い月日が流れたこともあり、記憶が曖昧な部分もありますが、当時の雰囲気や最終上映後のシャッターを下ろす最後の光景に関しては、昨日のことのように思い出します。

本当は、どの映画館よりも早く、そして、もっと記憶が鮮明だったころに作成すべきだったのですが、記憶が鮮明すぎた分、こうしよう、ああしようと色々と考えすぎてしまい、なかなか作成することができずに現在にまで至ってしまいました。

随分と時間が経ってしまったため、今となっては東宝日劇があったことすら知らない世代の人も当然いるかとは思いますが、下記のフォトギャラリーなどから、営業していた当時の東宝日劇を感じていただければと思います^-^

  フォトギャラリー ※一部の写真はポケットカメラで撮影しているため、画質が悪いです。

外観

札幌東宝日劇の外観
東宝日劇の外観です(2003年7月15日撮影)

向かいの建物から撮影した東宝日劇の外観
向かいの建物から撮影した東宝日劇の外観です(2003年7月15日撮影)

ターミネーター3の看板
ターミネーター3の看板です(2003年7月15日撮影)

ファイナルシネマ期間中の外観
ファイナルシネマ期間中の外観です(2003年8月撮影)

向かいの建物から撮影した東宝日劇札幌の外観
向かいの建物から撮影した外観です(2003年8月撮影)

ファイナルシネマ期間中の看板
ファイナルシネマ期間中の看板です(2003年8月31日撮影)

東宝日劇の右側
建物の右側部分です(2003年8月31日撮影)


建物の左側です(2003年8月31日撮影)

東宝日劇札幌の手書きの看板
手書きの看板をアップにして撮影しました(2003年8月撮影)

見上げて撮影した写真
見上げて撮影した写真です(2003年8月31日撮影)

日本劇場の看板をアップにして撮影した写真
日本劇場の看板をアップにして撮影した写真です(2003年8月31日撮影)

入口周辺の風景
入口周辺の風景です(2003年8月撮影)

館内

館内から外を見たときの風景
館内から外を見たときの風景です(2003年8月31日撮影)

劇場内の風景
劇場内の風景です(2003年8月31日撮影)

スクリーンの幕
スクリーンの幕です(2003年8月31日撮影)

東宝日劇の椅子
椅子です(2003年8月31日撮影)

1階から見た2階席側の風景
1階から見た2階席側の風景です(2003年8月31日撮影)

非常口
非常口です(2003年8月31日撮影)

札幌東宝日本劇場の2階席の一角
2階席の一角です(2003年8月31日撮影)

2階席から見たスクリーン方面の風景
2階席から見たスクリーン方面の風景です(2003年8月31日撮影)

東宝日劇札幌の2階席
こちらも同じく2階席です(2003年8月31日撮影)

最終上映後の外の風景、東宝日劇の広告等

最終上映後の東宝日劇の外観
最終上映後の外観です(2003年8月31日撮影)

最終上映後の東宝日劇札幌の出入口周辺の様子
最終上映後の出入口周辺の様子です(2003年8月31日撮影)

最終点検をしているスタッフ達
最終点検をしているスタッフ達です(2003年8月31日撮影)

シャッターが下ろされている最中の写真
シャッターが下ろされている最中の写真です(2003年8月31日撮影)

東宝のスタンプラリー
コピーですが、東宝のスタンプラリーです(2016年8月25日撮影)

東宝日劇ファイナルシネマの広告の表
東宝日劇ファイナルシネマの広告の表です(2016年8月25日撮影)

東宝日劇ファイナルシネマの広告の裏面
東宝日劇ファイナルシネマの広告の裏面です(2016年8月25日撮影)

新聞の切抜きと記念に買った未使用のチケット
新聞の切抜きと記念に買った未使用のチケットです(2016年8月25日撮影)

東宝日劇の閉館について書かれた当時の新聞
東宝日劇の閉館について書かれた当時の新聞です(2016年8月25日撮影)

2003年8月31日の北海道新聞朝刊の映画案内
2003年8月31日の北海道新聞朝刊の映画案内です(2016年8月25日撮影)

東宝日劇の名前が入った新聞の広告
東宝日劇の名前が入った新聞の広告です(2016年8月25日撮影)

東宝日劇のスタンプがついた映画のチラシ
東宝日劇のスタンプがついた映画のチラシです(2016年8月25日撮影)



[記事作成日]2016年8月31日

※2001年~2003年に訪れた時の体験を基に作成しています。











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