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 平々凡々便り・232通 2020年8月27日 22:35

■ネットフリックスで韓ドラ「ミスターサンシャイン」視聴完了

久しぶりにメルカリ以外の話題を書きたいと思います。7月に話題の韓ドラ「愛の不時着」を見たくて契約したネットフリックスですが、「愛の不時着」を見終わった後もそのまま継続して利用しています。正直、「愛の不時着」に関しては、普通に面白かったですが、よくある韓国ドラマの一つという感じで、なぜそこまでヒットしたのかが、私には分かりませんでした。同じく南北問題を扱い、私が韓国にハマるきっかけとなった韓国映画「JSA」のような緊迫感もなく、見終わった後の余韻というのも、ほぼなかったというのが正直な感想です。

さて、その「愛の不時着」を見終わった後に同じくネットフリックスで、「ミスターサンシャイン」という韓国ドラマを見るようになり、先日の日曜日に全24話を見終わりました。1話が1時間以上あるため、さくさく見れるような感じでもなかったのですが、「愛の不時着」とは異なり、見終わってから数日経過した今も余韻が残っており、こういう感覚になるドラマは久しぶりです。実は今もYouTubeで「ミスターサンシャイン」のOSTを聞きながら、この日記を書いています。

ちなみに「ミスターサンシャイン」は、日清戦争前後から日本が韓国を併合する直前ぐらいの朝鮮半島と日本、そしてアメリカをメインの舞台とし、抗日運動をテーマに描かれています。そのため、間違いなく日本人にしてみれば賛否両論がある内容で、後半になればなるほど、日本が悪として描かれ、併合には反対の考えを持っていたとされる伊藤博文も完全に悪役です。おそらく、日本人によってはこんなドラマ見ていられないと思う人も間違いなくいるでしょう。

では、そういったドラマなのにも関わらず、なぜ今でも余韻が残っているのかですが、韓国でいう親日という言葉の意味はもちろんのこと、なぜ韓国の人があそこまで旭日旗に嫌悪感を抱くのか、なぜ現在の文政権が親日派の痕跡を無くそうとするのか、なぜ韓国には独立運動家の像が色々な場所に建てられているのかなど、一般の日本人では理解が難しいこれらの問いに対する答えや理由が、まさにこのドラマに描かれていたからです。

ドラマの内容は史実に基づくフィクションであり、先にも書いたように日本は悪として描かれており、日本人による朝鮮半島の人に対する差別もかなり残酷です。もちろん、どこまで話が盛られているのかも分かりませんが、他の人の口コミでも「描かれている残虐さが10分の1でも事実であれば、日本人としてはとても辛い」と書かれていたように、日本人にとってこのドラマはかなり重いです。なお、残虐さの実態に関していえば、関東大震災の後に関東大震災朝鮮人虐殺事件があったことからも分かるように、少なからず、実際にあったのではないかと思っています。

ただ、このドラマは反日・抗日運動として捉えるか、朝鮮の独立闘争として捉えるかによっても見方が変わってくる気もして、ドラマを見終わった後にWikipdiaのほか、韓国の視点からではありますが、家にある三橋広夫訳の『韓国の小学校歴史教科書』まで読みましたが、本当に色々と考えさせられました。

一応、韓国でいう親日という言葉についてだけ書くと、これは日本語でいう売国奴や非国民にあたり、日本に国を売る思考や行動を指し、当時実際にそういう行動をとった人を親日派と呼んでいます。もちろん、今でも揶揄するような形で使われたりもしているようですが、日本人が想像するような日本に親しみを持つ人とはまるで意味が違っています。

まさに現在、韓国の国歌を作曲した人物も親日派であったことから国歌を変えるべきだとか、今年7月に死去した朝鮮戦争の英雄が親日派だったことから文政権が冷遇したとか、さらには国立墓地に安葬されている親日派の人物の墓を掘り返して別な場所に移す法案を制定しようとするといった、親日派に関連するニュースが韓国でも話題になっていますが、日本がどうこうではなく、単純に過去に国を売った人物に嫌悪感を抱くという考えをもつ人がいても何ら不思議ではないかなとも、「ミスターサンシャイン」を見て、思うようになりました。「ミスターサンシャイン」は、日本という言葉を切り離すと、国を売ろうとする人vs外敵から国を守り、かつ独立を目指す人の戦いですが、命がけで国を守ろうとする人を英雄視するのはある意味、当然かなとも思います。

ただ、その一方でドラマでも描かれていましたが、生きるためにそれしか選択肢がなく、そういう行動を取った人もいたのだろうとも思っており、そう単純な問題ではないのかなとも感じています。また、1910年から終戦までの36年間は日本の統治下にあったわけなので、文大統領が称賛していた学者も親日派だったというように、親日派の問題は追求すればするほど、どんどん関りが出てくるのではとも感じています。

あまりこういう敏感な内容をホームページで書くのは控えようかとも思ったのですが、本当に今もですが、色々と考えさせられたドラマだったため、あえてこの日記に書き残すことにしました。本当は連絡を取り合っている韓国人にもこういうドラマを見たことを言いたいところではあるのですが、あまりにも敏感な内容なので、私の心の中に閉まっておくことにしました。

正直、このドラマのインパクトが強すぎて、なかなか次の新しいドラマに移れないという状況ですが、ドラマの視聴は韓国語のトレーニングになるので、そろそろ気持ちを切り替えて、次に進もうと思っています(笑)。



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