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映画への散歩道
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 札幌東宝プラザが86年の歴史に幕

 東宝公楽(札幌)が閉館してからちょうど1年後の2011年8月31日、現存する札幌最古の映画館であった東宝プラザが86年の歴史に幕を下ろした。1925年に三友館という名でオープンしてから現在まで、数々のヒット作を上映し、札幌シネマフロンティアが誕生した2003年以降も多くの老舗映画館が閉館する中、積極的にシネコンと差別化を図り、2010年4月には最新設備である3Dも導入したが、集客は戻らなかったという。

東宝プラザの外観 東宝プラザ1の劇場内
東宝プラザの外観(2011年8月29日) 東宝プラザ1の劇場内(2011年8月29日)

 昨年の5月27日付けの北海道新聞朝刊には「札幌東宝プラザとディノスシネマズ札幌劇場は、子連れの母親限定の映画鑑賞会を昨年12月から開催。シネコンと一線を画した企画は好評で、7月に3回目の開催を予定している。」と元気な映画館として紹介されていただけに大変残念である。

 そうした映画館でさえもが閉館に追い込まれている今、単館の映画館が生き残る道は、単なる差別化だけではなく、交通の利便性や近くにシネマコンプレックスがないなど複数の好条件が揃わない限り、もう難しいのかもしれない。

 今回の閉館で札幌の街にある映画館はシネマコンプレックスとミニシアター館のみとなり、一つの時代に終わりを告げたが、全国では老舗映画館のみならずミニシアターの閉館も相次いでいることから、シネマコンプレックスの一人勝ちという時代が目の前まで迫ってきているのかもしれない。


[記事作成日:2011年9月2日]





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